ドローン検定3級 テスト直前の要点まとめメモ
2017/07/24
私がドローン検定3級を受けるにあたって、間違えやすい項目や覚えておくべきことをまとめたメモです。ドローン検定に興味のある方は、どんな内容なのかな?という参考にしてみてください。
※出題範囲すべてを網羅していません。あくまでポイントのみですので参考程度に考えてください
参考記事:話題のドローン検定とは?試験概要解説〜申し込みの流れ
目次
ドローン検定3級 試験内容 覚えておくポイント・用語
ドローンの基礎知識
単語 | 意味 |
ドローン | マルチコプター(回転翼機)、無人航空機(UAV) |
ドローンの送信機 | プロポ |
ドローンの足 | スキッド、ランディングギア(引込脚)、降着装置 |
ドローンの羽 | ブレード(回転翼) |
ローター数3 | トライコプター |
ローター数4 | クアッドコプター |
ローター数6 | ヘキサコプター |
ローター数8 | オクトコプター |
マルチコプターの舵機体の動き
動き | 舵の名前 | 傾きの名前 | 補足 |
前後 | エレベーター | ピッチ | |
左右 | エルロン | ロール | バンク角(傾きの角度) |
回転 | ラダー | ヨー | ヘディング(機種の向いている方角) |
上下 | スロットル |
マルチコプターとヘリコプターの違い
マルチコプター | ヘリコプター | |
ブレード | 固定ピッチ | 可変ピッチ |
メリット | 安価、メンテナンス不要 | 揚力操作が機敏 |
デメリット | ・揚力操作がローター回転数による
・上昇気流に弱い |
機構が複雑で高価 |
上下移動の仕組み | ローターの回転数変化 | ブレードのピッチ変化(コレクティブピッチレバー) |
マルチコプターの飛行関係の単語
単語 | 意味 |
ホバリング | 空中に機体を静止させる動作のこと |
ピルエットサークル | 機体を回転させながら、円を描く動き |
フレア操作 | 移動方向と逆方向に機体を傾ける動作 |
クライム | 上昇 |
ディセンド | 下降 |
ターン | ヘディングを変えること |
テイクオフ | 離陸 |
ランディング | 着陸 |
対地速度 | 地面に対しての速度 |
対気速度(エアスピード) | 空気に対しての速度 |
推力 | 前進しようとする力 |
抗力 | 推力を妨げようとする力 |
揚力 | 機体を持ち上げようとする力 |
重力 | 地球から引っ張られる力 |
スラスト | エンジンが生み出す推力 |
失速(ストール) | 翼のピッチが臨界迎え角を超えて揚力が発生しない状態 |
フェイルセーフ | 部品が壊れても飛行に影響が出ないよう部品設計すること |
応力 | 機体のそれぞれの部品に加わる内部の力 |
フェイルセーフ構造 | レダンダント・ダブル・バックアップ・ロードドロップ |
気象と風
単語 | 意味 |
風速 | 大気の流れの速さ(単位は[m/s][kt]) |
風向 | 風の吹いてくる方角(ex.南風は南→北へ吹く風) |
エアポケット | 局地的な下降気流のこと |
対流 | 空気の上下の流れによって熱が伝わること |
積乱雲 | 対流によって発生した上昇気流により作られることが多い |
乱気流 | タービュランス |
高気圧 | 地表の気圧が高い状態。上空から空気が降りてきて地表にぶつかる |
低気圧 | 地表の気圧が低い状態。上昇気流が発生し雲ができるため天気が悪い |
熱帯低気圧 | TD |
摩擦層 | 地表の凸凹から風が影響を受ける範囲(高度1kmまで)。風速は遅い。 |
ダウンウォッシュ | 回転翼機のブレードが作り出す下向きの強い風 |
ヘリポート | 回転翼機の離着陸を想定して整備された場所 |
ボルテックスリング | 機体降下に合わせてブレード下に発生する渦状の風 |
セットリングウィズパワー | ボルテックスリングにより揚力を失った状態(対策:前進加速) |
地面効果 | ダウンウオッシュにより機体と地面の間の空気が圧縮し、揚力が増す現象 |
機体の構造と姿勢制御
モーター
ブラシレスDCモーター | ブラシモーター | |
仕組み | コイルを固定し、磁石を回す | 磁石を固定し、コイルを回す |
メリット | メンテナンス不要 | 構造がシンプル |
デメリット | ESCが必要 | ブラシと整流子が削れて粉塵がでる |
GPS
- 位置情報を得るためにはGPS信号が4つ以上必要
- GPS信号は直進性が高く、悪天候や室内では精度が落ちる
各種センサーによる姿勢制御
種類 | |
加速度センサー | 機体の姿勢(傾き、水平)を計測 |
ジャイロセンサー | 機体の回転の速さ(角速度)を計測 |
超音波・光学センサー | 機体の高度・移動を測定。GPS精度の落ちる室内で有効 |
バッテリーの特徴(計算問題あり)
利点:青色、欠点:赤色
リチウムポリマー(リポ) | ニッケル水素 | リチウムフェライト | |
使用用途 | ドローン | エネループ電池 | ラジコンなど |
電流出力 | 大きい | ー | ー |
充電容量 | 大きい | 大きい | ー |
メモリー効果 | なし | あり | なし |
発火の危険 | あり | なし | なし |
過充電・過放電 | 弱い | ー | ー |
価格 | ー | ー | 高価 |
リポバッテリーの特徴
- セルという単位で製造されている
- 1S=3.7V
- mAh = 1時間安定して流せる電流の容量値
- C(キャパシティ、放電能力)=一度に取り出せる最大電流値
- 高電流を安定して出力できるが、3.3V辺りから急激に出力が下がる
- デルタピークが起きないため過充電が起こりやすい
- セル同士の電圧を整えて充電するバランス充電が必要となる
- 残量60%程度で保管
ブレードの回転
- 時計回り:C.W.【クロックワイズ】
- 反時計回り:C.C.W.【カウンタークロックワイズ】
基礎力学(計算問題あり)
- v:速度 v0:初速度 a:加速度 t:時間 s:距離 g:重力加速度
- v=v0+(at)
- s=1/2at^2
- v=gt
詳細記事:文系でもわかるドローン検定3級の物理基礎の解き方解説
単位
国際単位系は7つ
基本量 | 名称 | 記号 | |
国際単位 | 長さ | メートル | m |
↑ | 質量 | キログラム | kg |
↑ | 時間 | 秒 | s |
↑ | 電流 | アンペア | A |
↑ | 熱力学温度 | ケルビン | K |
↑ | 物質量 | モル | mol |
↑ | 光度 | カンデラ | cd |
組立単位 | 面積 | 平方メートル | m^2 |
↑ | 速度 | メートル毎秒 | m/s |
↑ | 加速度 | メートル毎秒毎秒 | m/s^2 |
非国際単位 | 長さ | 1海里≒1.9km | M,nm |
↑ | 速度 | 1ノット≒0.5m/s | kt,kn |
SI接頭辞
名称 | 記号 | 基本量 |
ギガ | G | 1,000,000,000倍 |
メガ | M | 1,000,000倍 |
キロ | k | 1,000倍 |
ヘクト | h | 100倍 |
デカ | da | 10倍 |
デシ | d | 1/10 |
センチ | c | 1/100 |
ミリ | m | 1/1,000 |
マイクロ | μ | 1/1,000,000 |
ナノ | n | 1/1,000,000,000 |
操縦者の責任
種類 | 内容 |
民事責任 | 物を破壊したり、人体を傷つけた場合にそれを補償する責任 |
刑事責任 | 法律により禁止された行為を行ったことで、罰金・懲役の刑罰を受けること |
行政上の責任 | 行政による許認可取り消し等の処分 |
賠償保険と機体の保険
第3者への賠償責任保険の例 | |
個人 | 日本ラジコン電波安全協会「ラジコン操縦士」 |
業務用途 | 施設所有管理者賠償責任保険 |
マルチコプターの飛行
単語 | 意味 |
ペアリング | 機体とプロポをリンクさせる作業 |
キャリブレーション | センサーの初期化作業 |
トラブルの予測とフライトプラン
単語 | 意味 |
電波 | 電磁波の一種 |
光 | 電磁波の一種 |
電磁波 | 電気と磁気の両方の性質を持つ波 |
周波数 | 波が1秒間に上下する回数 |
混信 | 電波と電波が混ざり合う現象、プロポとWi-Fiなど別装置間でも起こる |
フライトプラン | 機材・経路・時間などを記した飛行計画 |
電波法
単語 | 定義 |
電波 | 300万メガヘルツ以下の周波数の電磁波 |
無線局 | 無線設備及び無線設備の操作を行う者の総体。ただし、受信のみを目的とするものは含まない |
航空法
航空機の定義
人が乗って航空の用に供することができる飛行機、回転翼機、滑空機、飛行船その他政令で定める機器をいう
- 人が乗ることが前提なので、無人の気球・ロケットは該当しない
無人航空機の定義
この法律において「無人航空機」とは、航空の用に供することができる飛行機、回転翼機、滑空機、飛行船その他政令で定める機器であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるものをいう。
- 機体重量200g未満の機体は、無人航空機に該当しない
飛行禁止空域
- 空港等周辺
- 高さ150m以上の空域
- 人口集中地区の上空
- 禁止空域を飛行させる場合には、10開庁日前までに、飛行許可申請が必要
空港等周辺の安全(制限)表面
単語 | ざっくり概要 |
安全(制限)表面 | 空港周辺の制限範囲の総称 |
進入表面 | 滑走路の先 |
水平表面 | 空港の半径4km以内 |
転移表面 | 滑走路の横 |
無人航空機の飛行方法
- 日中のみ飛行可
- 目視による常時監視
- 人・物と30m以上離す(操縦者・関係者は除く)
- 群衆・イベント上空は禁止
- 危険物積載禁止
- 物の投下禁止
- もし指定外の飛行方法を行う場合には、国土交通大臣への飛行承認申請が必要
- 航空法に違反した場合、50万円以下の罰金に処される
最後に
ドローン検定3級の試験内容は全15章あり、パーツや飛行原理、安全運用のための気象学など、ほとんどが暗記問題ですが、バッテリー・基礎力学・国際単位の章には計算問題が含まれています。
中でも明暗を分けるであろう単元が基礎力学です。内容は高校物理の初歩レベルですが、文系で物理に全く触れたことがない人は、ここで戸惑うと思います。私がそうでした。
基礎力学を学ぶことでドローンが落下する場合に、どのぐらいの距離が墜落する範囲になりそうか?ということを推測できるようになります。最低何メートルの広さがあれば、安全に飛行できるのか知ることができるので、飛行計画が立てられるようになります。
水平投射など力学を学ぶことは、フライトプラン作成の章にも関わってくるので大切です。私はドローン3級のテキストの説明だけではしっかり理解できなかったので、高校生向けの物理基礎の本を読みました。
橋元の物理基礎をはじめからていねいに (東進ブックス 大学受験 名人の授業)
↑の本だと1-3講の内容でした。公式丸暗記よりもちゃんと内容を理解したいと思う時間のある方は、読んでみると意外と面白いのでおすすめです。
ドローン検定3級の内容は、ドローンについて体系的に学べるという点において、まさにドローンの教科書ですね。ドローンを操縦する人にとっては、受験の有無に関わらず3級テキストは読む価値があると思います。興味が湧いた方はぜひ挑戦してみてくださいね。