ドローン事故から学ぶフライトプランの重要性と作成方法
2016/03/22
目次
フライトプランとは
フライトプランとは、飛行機やヘリコプターが飛行する際に、作成する飛行計画のことです。この飛行計画は、離着陸時刻から経路・速度・燃料量や不時着ポイントなど、飛行前にあらゆる状況をシミュレーションし、情報を整理して作られます。
航空機の場合には、航空法によって作成が義務付けられていますが、ドローンでは改正航空法に従う範囲内では、作成は不要となっています。しかし、フライトプラン作成の過程で、安全飛行に関する知識が得られるので、ドローンの飛行でも一度フライトプランを作成してみるとよいでしょう。
ドローン墜落の原因を考えよう
ドローンが墜落する原因を考えることで、事前に対策を練り、事故を減らすための努力を行うことができます。ドローン事故を原因別にカテゴリすると大部分の事故は以下の4要因に分けることができます。
操作方法による事故
- 急降下時に制御不能
- 傾き角オーバーによるローター停止
- セットリングウィズパワーによる揚力消失
ハードによる事故
- ブレード破損による墜落
- バッテリー切れによる揚力不足
風の影響による事故
- 突風による機体バランスの崩れ(ノーコン)
地理的要因による事故
- 障害物接触
- 電波障害
事前対策リストを作る
4つの要因から必要となる具体的な対策リストを作成します。
- 操作技術の向上・ドローンに関する知識 ⇒ 技術講習・研修の受講
- 事前にドローンのメンテナンスを実施 ⇒ 機体のチェック項目リストの作成
- 当日の天候状況のチェック ⇒ フライト中止の判断基準の作成
- フライト周辺の地理状況チェック ⇒ ロケハンの実施
フライトプランの作成
フライト前日までに可能なリストが完成したら当日のプランを作成しましょう。できる限り想像力を働かせて、あらゆる状況をシミュレーションすることが重要です。その際には、次の3つの観点から考えることが有効です。
機材
- 機体(装備を含む)総重量 ⇒ 飛行可能時間の算出
- バッテリー容量(飛行可能時間)
経路・時間
- 飛行ルート(高度・移動速度)⇒ 飛行可能時間の8割以内
- 落下地点予測 ⇒ ルートの安全性
- 電波障害の回避 ⇒ 送電線・変圧設備・電波塔の確認
法律の順守
- 改正航空法の順守 ⇒ 国交省に申請の有無
- 電波法の順守 ⇒ 使用機材の使用電波、免許の確認
まとめ
フライトプランの作成には、ドローンに関する総合的な知識が必要となります。加えて偶発的アクシデントを未然に防ぐために、あらゆる動作・要素に潜む危険を予想する想像力が大切となります。
また、一度作成したら完成ではなく、フライトのたびに反省点を考え、常に改善していくことが大切です。