ドローンの飛ぶ仕組みと天候の関係を理解しよう

2016/03/22

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ドローンが飛ぶ仕組み

飛行する物体にかかる4つの力

  • 推力・・・前進しようとする力
  • 抗力・・・後ろに引っ張ろうとする力(空気抵抗)
  • 揚力・・・上に持ち上げようとする力
  • 重力・・・下に引っ張ろうとする力

この4つの力を調整することで、前後・左右・上下・回転と空中を自在に飛び回ることが可能になっています。

揚力を生み出す仕組み

ベルヌーイの定理という言葉を聞いたことはないでしょうか。飛行機の羽は上辺は丸く、下辺は真っ直ぐなため、上と下で空気中を通過する際に速度差が生まれ、上辺の圧力が下がり、上に持ち上げようとする力(=揚力)が発生します。

ドローンやヘリコプターは、ローターで翼(ブレード)を回転させて揚力を生み出し、空を飛んでいるわけです。ヘリコプターの場合は、翼の形状を変化させる(可変ピッチ)ことで、揚力を調整します。対してドローンは、翼の形状を変化できない(固定ピッチ)のため、ローターの回転数で揚力を調整しています

このローターの回転数で揚力制御を行うことをスロットルと呼びます。(ちなみにヘリの場合は、可変ピッチを変更することで揚力制御を行うことをコレクティブピッチレバーと呼びます。)

ドローンが風に弱いわけ

ドローンは上空の弱い気流にも影響をすぐ受けてしまうというのは、みなさんご存じでしょう。その理由は、先ほど説明したローターの回転数でしか揚力を調整できないことに起因しています。

ドローンが下降気流にぶつかった場合、流されないためには、より大きな揚力が必要となります。この場合、より回転を速くすることで対応できます。では上昇気流にぶつかった場合はどうでしょうか。流されないためには、揚力を減らす必要がありますが、翼の形状が変えられないため、回転を止めるしか方法がありません。回転を止めると空中での機体制御も不安定になってしまいます

これが、ドローンが風(特に上昇気流)に弱い理由です。固定ピッチであるドローンは下向きの力の制御に限界があるということです。そのため急下降の操作も、機体制御が無防備になるので、控えるべきです

姿勢制御システム

ドローンの姿勢制御には様々なセンサーが用いられています。これらセンサーから得られた情報を元に、各ローターの回転数を制御し、正しくホバリングできるようにしています。機体に異常が見られる場合に、センサー類の故障を推測できるように、それぞれの特性を把握しておくとよいです。

  • 加速度センサー・・・・加速度から機体の傾きを計測(水平検知)
  • ジャイロセンサー・・・回転の速さ(角速度)を測定。3軸は角速度測定、6軸は加速度検知、9軸は方位検知が可能
  • GPSセンサー・・・・機体の位置情報を測定
  • 超音波センサー・・・・室内での機体の位置を測定

GPSは、衛星を利用して地球上の位置情報を知ることができるシステムのことです。GPSを搭載することで、ゴーホーム機能などの自動操縦が可能になりました。このGPS衛星は30個ほど存在し、地球上の全域をカバーしていますが、障害物に弱く、建物の中や高層建造物の近く、悪天候の中では精度が低下してしまうという弱点もあります。

風を知り、風を予測することが上達への道

風(気流)の基本知識

空気の流れ、「気流」とも呼びます。風は「風速」と「風向」に分解して捉えることができます。

風速

日本では、秒速(m/s)、海外では、ノット(kt)という単位で表します。

風向

風向は16方位で表され、吹いてくる方向を指します。例えば北風は北から吹いてくる風のことを言います。風向によって向かい風なのか、追い風なのか、風速によってドローンのブレードにあたる対気速度が変わり、揚力が決まります。

上昇気流と下降気流の発生

風が山や大きな建造物にぶつかると上昇気流になり、それを越えると下降気流になります。また、空気は暖められると軽くなり、上昇気流を生みます。暖かい日には地面が熱されて、地上から上昇気流が生まれます。

強い上昇気流は、巨大な雲(積乱雲)を発生させることが多いです。つまり積乱雲がある場合には上昇気流が発生しており、ドローンを飛ばすのは危険だと予測できます。

逆に、局地的な下降気流は、晴天乱気流(エアポケット)を発生させることがあります。これは、雲の動きなどで兆候を把握するのが難しいため、非常に危険な現象です。

高気圧と低気圧

高気圧とは、地表の気圧が高い状態を指し、晴天をもたらします。対して、低気圧とは、地表の気圧が低い状態を指し、雲を伴って雨・風をもたらします。

摩擦層

地表から約1kmの範囲を地表面の摩擦の影響を受けると考えられています。この摩擦層では、風が地表の凸凹にぶつかりながら、進むため、風の進む速度は遅く、地表から離れれば離れるほど、障害物がなくなり風はスイスイ進むようになります。つまりドローンを飛ばす際には、障害物の少ない上空や海上は風の速度が速く危険ということです。

気流が巻き起こす危険な現象

後方乱気流(ダウンウォッシュ)

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wikipediaより

航空機によって引き起こされる乱気流のことです。特にヘリコプターは、離着陸する際に、プロペラの下に強烈な下降気流が発生するため専用のヘリポートが必要とされています。

またダウンウォッシュにより機体と地面の間の空気が圧縮され、ブレードの揚力が増す現象(地面効果)が発生し、機体が浮き上がることがあるので注意が必要です。

ボルテックス・リング・ステート

wikipediaより

wikipediaより

機体降下時にブレード下に発生する渦状の風のことで、この状態(セットリングウィズパワー)に陥ると揚力が極めて減少するため、機体の操縦が困難になります。

前兆として機体の振動が発生するので、その時点で前進操作で抜け出す必要があります。

-ドローン初心者向け