Predator(中)武装化したプレデター「MQ-1」とは

「プレデター MQ-1」 by wiki
武装化したプレデター「MQ-1」と
全長 | 8.2m |
全幅 | 14.8m |
全高 | 2.1m |
自重 | 512kg |
最大離陸重量 | 1,020kg |
航続距離 | 3,704km |
最高速度 | 217km/h |
失速速度 | 100km/h |
プレデターの記号は、偵察を表すR(Reconnaissance)、無人機のQ、1号機の1で「RQ-1」が与えられて、偵察任務を与えられていましたが、その高い性能から様々な任務に投入されるようになり、2002年にマルチのMを与えられ「MQ-1」に変更されました。
マルチとは多目的任務を意味しており、偵察機にとっての多目的任務とは、偵察任務に加えて、攻撃任務が与えられたということです。
通常、プレデターは偵察中に敵機を発見した場合には、攻撃部隊に情報を送信することで、攻撃機による破壊を行うのが作戦ですが、敵機発見から攻撃までの時間のロスが大きく、敵に逃げられてしまったり、敵に増援を呼ぶ時間を与えてしまうなどの危険がありました。
そこでプレデターに与えられた任務は武装化によるプレデターでの攻撃任務でした。
開発

AGM-114A ヘルファイア by wiki
2000年ごろから、従来のプレデターの主翼構造の強化や機体材質変更による機体軽量化など、武装型プレデター開発が進められました。2001年には、セミアクティブレーザー(SAL)シーカーを装備したAGM-114Cヘルファイア空対地ミサイルの発射試験が実施され、2002年には対テロ作戦でヘルファイアでの攻撃が実行されました。以後、様々な戦場での攻撃作戦に投入されるようになりMQ-1は多くの戦果を上げていきます。
ヘルファイアには「地獄の業火」の意味もあり、プレデターのヘルファイアは、アフガニスタン潜伏中のウサマビンラディンに対して発射されたほか、タリバン幹部の車両にも発射されています。
運用
MQ-1は米空軍の第57戦闘航空団によって運用されています。ホームベースは、アメリカ合衆国ネバダ州インディアン・スプリングス飛行場(クリーチ空軍基地)とされています。製造されたプレデターは、イギリス空軍、イタリア空軍、トルコ空軍なども運用していますが、半数以上は米空軍によって運用されています。
戦果
1995年にアメリカ、NATO、国連の任務によりボスニア・ヘルツェゴビナに試験的に投入されました。1998年、コソボ戦争では本格的な実戦投入が行われ、米軍によりセルビア軍の監視活動に用いられました。プレデターは、ISR(情報・監視・偵察)を担うセンサーの1つとして使用され、リアルタイムでの現地情報を送信して、情報収集を実施しました。その後もアフガニスタンやイラクでの対テロ作戦で活躍しています。